この記事では、鋼構造物工事の工事内容や許可要件等について、詳しく解説しています。
目次
鋼構造物工事業の許可が必要な場合
請負金額が500万円以上の鋼構造物工事(形鋼,鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事)を請け負う場合には、鋼構造物工事業の建設業許可が必要になります。
さらに、工事の一部を下請に出す場合で,その契約金額(複数の下請業者に出す場合はその合計額)が4,500 万円以上になる場合には、特定建設業許可が必要となります。
鋼構造物工事とは
具体的には下記のような工事です。
- 鉄骨工事
- 橋梁工事
- 鉄塔工事
- 石油・ガス等の貯蔵用タンク設置工事
- 屋外広告工事
- 閘門・水門等の門扉設置工事
他の工事との線引き
- 『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」と『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」との区分の考え方は,鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」であり、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負うのが『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」である。
- ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当する。
- 『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」との区分の考え方は、現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」であり、それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」である。
鋼構造物工事業の専任技術者になるには?
建設業許可を取得するには一定の資格者又は実務経験を有する方がいないといけません。
①鋼構造物工事業の専任技術者になれる資格
※【 】は一般建設業と特定建設業のどちらで対応しているかを記載。
建設業法 | 1級土木施工管理技士【一般・特定】 |
---|---|
2級土木施工管理技士(土木)【一般】 | |
1級建築施工管理技士【一般・特定】 | |
2級建築施工管理技士(躯体or仕上)【一般】 | |
建築士法 | 一級建築士【一般・特定】 |
技術士法 | 建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)【一般・特定】 |
職業能力開発促進法 | 鉄工(※)・製罐(せいかん)【一般】 (※48年改正後は「製缶作業」又は「構造物鉄工作業」とするものに限る) |
登録橋梁基幹技能者【一般】 |
※上記以外にも要件緩和により該当し得る資格があります。
②指定学科+実務経験で申請する場合
下記の鋼構造物工事に関する指定学科の高校を卒業している場合は卒業後5年(60か月)、大学を卒業している場合は卒業後3年(36か月)以上の鋼構造物工事に関する実務経験があれば、専任技術者になることができます。
※卒業した学科が対象になるかどうかは、必ず担当窓口に事前相談しましょう。
- 土木工学に関する学科
- 建築工学に関する学科
- 機械工学に関する学科
※上記学科以外の名称の場合でも、事前に卒業証明書及び単位取得証明書等の履修科目及び取得単位数が確認できる書類を事前相談に持っていくことで、指定学科として認められる場合もあります。
③実務経験のみで申請する場合
許可申請しようとする建設工事について10年(120か月)以上の実務経験が必要です。
ですので、鋼構造物工事の許可申請をするのであれば、鋼構造物工事について10年(120か月)以上の実務経験を証明することになります。
鋼構造物工事の特定建設業許可は実務経験ではNG
ただし、「特定」建設業の専任技術者については,鋼構造物工事が指定建設業(※)に該当するため、実務経験ではNGで、一級の資格者であることが必要となります。
※指定学科…土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業
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