この記事では、とび・土工・コンクリート工事の工事内容や許可要件等について、詳しく解説しています。
目次
とび・土工工事業が必要な場合
請負金額が500万円以上のとび・土工・コンクリート工事を請け負う場合には、とび・土工工事業の建設業許可が必要になります。
さらに、工事の一部を下請に出す場合で,その契約金額(複数の下請業者に出す場合はその合計額)が4,500 万円以上になる場合には、特定建設業許可が必要となります。
とび・土工・コンクリート工事とは
具体的には下記のような工事がとび・土工・コンクリート工事に該当します。
- とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事
- くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事
- 土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事
- コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストコンクリート工事
- 地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事
他の工事との線引き
- 『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」並びに『石工 事』及び『タイル・れんが・ブロック工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方は以下のとおりである。
- 根固めブロック,消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロック の据付けを行う工事,プレキャストコンクリートの柱,梁等の部材の設置工事等が『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」である。
- 建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理,又は雍壁としてコンクリートブロックを積み,又ははり付ける工事等が『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」である。
- コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が『タイル・れんが・ブロック工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」であり,エクステリア工事としてこれを行う場合を含む。
- 『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」と『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」との区分の考え方は,鉄骨の製作,加工から組立てまでを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」であり,既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負うのが『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」である。
- 「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当する。
- 「地盤改良工事」とは,薬液注入工事,ウエルポイント工事等各種の地盤の改良を行う工事を総称したものである。
- 『とび・土工・コンクリート工事』における「吹付け工事」とは,「モルタル吹付け工事」及び「種子吹付け工事」を総称したものであり,法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事をいい,建築物に対するモルタル等の吹付けは『左官工事』における「吹付け工事」に該当する。
- 「法面保護工事」とは,法枠の設置等により法面の崩壊を防止する工事である。
- 「道路付属物設置工事」には,道路標識やガードレールの設置工事が含まれる。
- 『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」との区分の考え方は,現場で屋外広告物の製作,加工から設置までを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」であり,それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」である。
- トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当し,いわゆる建築系の防水工事は『防水工事』に該当する。
とび・土工工事業の専任技術者になるには?
建設業許可を取得するには一定の資格者又は実務経験を有する方がいないといけません。
①とび・土工工事業の専任技術者になれる資格
※【 】は一般建設業と特定建設業のどちらで対応しているかを記載。
建設業法 | 1級建設機械施工管理技士【一般・特定】 |
---|---|
2級建設機械施工管理技士(第1種〜第6種)【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
1級土木施工管理技士【一般・特定】 | |
2級土木施工管理技士(土木or薬液注入)【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
1級建築施工管理技士【一般・特定】 | |
2級建築施工管理技士(躯体)【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
技術士法 | 建設・総合技術監理(建設)【一般・特定】 |
建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)【一般・特定】 | |
農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)【一般・特定】 | |
水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)【一般・特定】 | |
森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)【一般・特定】 | |
職業能力開発促進法 | 型枠施工【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 |
とび・とび工【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
コンクリート圧送施工【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
ウェルポイント施工【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
地すべり防止工事【一般】※実務経験1年以上必須※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
基礎ぐい工事【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録橋梁基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録コンクリート圧送基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録トンネル基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録機械土工基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録PC基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録鳶・土工基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録切断穿孔基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録エクステリア基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録グラウト基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録運動施設基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録基礎工基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録標識・路面標示基幹技能者【一般】※2年以上の指導監督的実務経験があれば特定も可 | |
登録土工基幹技能者【一般】 | |
登録発破・破砕基幹技能者【一般】 | |
登録圧入工基幹技能者【一般】 | |
登録送電工事基幹技能者【一般】 | |
登録あと施工アンカー基幹技能者【一般】 |
※上記以外にも要件緩和により該当し得る資格があります。
※指導監督的実務経験とは、建設工事の設計又は施工の全般について,工事現場主任者又は工事現場監督者のような立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
②指定学科+実務経験で申請する場合
下記のとび・土工・コンクリート工事に関する指定学科の高校を卒業している場合は卒業後5年(60か月)、大学を卒業している場合は卒業後3年(36か月)以上のとび・土工・コンクリート工事に関する実務経験があれば、専任技術者になることができます。
※卒業した学科が対象になるかどうかは、必ず担当窓口に事前相談しましょう。
- 土木工学に関する学科
- 建築学に関する学科
※上記学科以外の名称の場合でも、事前に卒業証明書及び単位取得証明書等の履修科目及び取得単位数が確認できる書類を事前相談に持っていくことで、指定学科として認められる場合もあります。
③実務経験のみで申請する場合
許可申請しようとする建設工事について10年(120か月)以上の実務経験が必要です。
ですので、とび・土工・コンクリート工事の許可申請をするのであれば、とび・土工・コンクリート工事について10年(120か月)以上の実務経験を証明することになります。
特定建設業を実務経験でいく場合
特定建設業の専任技術者を実務経験で証明しようとする場合には、必要な実務経験+許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上であるものについて2年以上の指導監督的な実務の経験を有することが必要です。ただし,指定建設業(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)は除く。
建設業許可のご相談はお任せください
「よくわからない」という方は無料相談(初回のみ)を承っております。是非弊社の無料相談をご活用下さい。