『大富豪の起業術・上』

『大富豪の起業術・上』マイケル・マスターソン、ダイレクト出版、20114

この本は、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界で屈指の実績を誇るスーパー起業家のマイケル・マスターソンが、その経験に基づき起業して富を得る方法を紹介する本です。この本で目指している究極のゴールは「好きな時に好きな場所で、一緒に働きたい人と自分がやりたい仕事だけをする」ことです。それを達成するために必要なコンセプト、戦略、テクニック、スキルなどを学ぶことができる本となっています。

時間が無い方はこちらをご覧ください。

幼児期

ところで、筆者は企業のフェーズを「幼児期」「少年期」「青年期」「成人期」の4つに区切り、それぞれのフェーズで重視すべきことを指南してくれています。

今回は、これから起業する方や起業して間もない方、起業したけどなかなか成果が上がらない方にフォーカスして、「幼児期」の説明をしたいと思います。

 

この本で紹介されている「幼児期」とは、0〜100万ドル(日本円で0〜1億)までの事業規模のフェーズを指します。

筆者は、起業家に必要なスキルとして次の5つを挙げています。

1.アイデアを思いつく
2.商品を販売する
3.組織を管理する
4.スーパースター(優秀な従業員)を育てる
5.行動を起こす(うまく事業を回す)

「幼児期」で最も重要視されるスキルは「事を進めるスキル」「商品を売るスキル」です。

 

マーケティングに力を注げ!

さて、商品を売るスキルが重要という話ですが、要は幼児期で最も優先すべきことは「マーケティング」だということです。ビジネスオーナーが最初にすべきことは、「自分の時間と感心、そしてエネルギーのほとんどを販売プロセスに注ぐ」べきだ、と筆者は述べています。

 

その際、気をつけてほしいのは、商品を完璧にすることは優先事項ではないということです。顧客からのフィードバックがあるまでは何をもって完璧かわからないからです。

 

筆者自身も、駆け出しの頃にメンターからこの教訓を教わったそうです。筆者はメンターからこんなことを言われたそうです。

「毎朝オフィスに来て、商品の良い点や悪い点を考えるのはやめるんだ。それを検討すべき時期は必ず来る。今は、昨晩商品が何ユニット売れて、販売を増やすために今日何をすべきなのかを考えてくれ。その習慣が身につけば、今後もし顧客が商品の改良を望んだ時に、答えられるだけの資金をためることができるよ」と。

 

とある起業家の話

さて、ここまでで販売の重要性はご理解いただけたと思いますが、ここでもう一つだけ、ある起業家の話をご紹介します。

この起業家のしごとは、車用のアクセサリーを作成するという事業です。彼は、注文を受けた分を製作するだけの内金を先にもらい、納品が終わるとそこから得た利益を次の販売に再投資していました。

 

つまり、手元に残るお金を販売活動に投資することで、何ヶ月もの間儲けがなかったのですが、1年を過ぎた頃から徐々に利益を手に入れることができるようになったのです。

 

多くの企業が設立1年目で現金不足を経験しますが、彼のように販売に注力し、それ以外の二次的な要素を後回しにすることで、将来的には安定的な利益を獲得できるという一例です。

 

どうやったら売れるのか?

確かに、販売の重要性は理解できました。でも、販売って難しいですよね?じゃあ、どうやったら商品が売れるのでしょうか?

 

残念ながら、「これをやれば必ず売れる」というのは難しいです。しかし、この本では販売の秘訣を教えてくれています。

 

その秘訣とは、「最適販売戦略」を知ることです!たくさんあるマーケティング手法のうち、あなたが一番得意な販売戦略をみつよう、というのが筆者の提案です。

 

この最適販売戦略を見極めるために次の質問に答えてみましょう。

1.顧客をどこで見つけるか?
→販売をする最適な場所を探そう!リアルなのかネットなのか?広告を打つにしてもどこに打つのかで反響率は変わってきますよね。

2.最初にどの商品を売るか?
→顧客がどこにいるかを把握したら、その顧客に適した商品を選びましょう。バックエンドから売るのが最適なのか?フロントエンドから売るべきなのか?

3.その価格はいくらにするか?
→フロントエンドは手頃感を出し、バックエンドは良好な関係を築き、高くても買ってくれる関係性を作ろう。

4.その商品を買うように顧客を説得するにはどうすればいいか?
→良いキャッチコピーを考えよう。これは、私の考えですが、感情に訴求するコピーを考えると良いアイデアが思いつきやすい。
(例)プレモルとセレナ

 

 

キャッチコピーを考えるコツは何でしょうか?

筆者は以下のことを学ぶべきと述べています。

1.ウォンツ(ニーズに対して、欲求により欲しいもの)とニーズ(必要な物)の違い
→ウォンツに基づく商売をしているという認識を持ちち、顧客は感情で買うということを理解する

2.特徴と利点の違い
HBの鉛筆の例で、特徴は?ベネフィット(利点)は?顧客が抱く感情を満足させることができるようなコピーを作ろう。

【特徴】
・木でできている
・直径が一定である

【ベネフィット】
・削りやすい
・持ちやすい

3.商品のUSPを確立する方法
USPとはUnique Selling Propositionの略で、商品の「売り」のことです。他の商品と比べて独自性をもたせるか独自性があるようにみせる

4.USPの伝え方
→次の4要素が含まれるようにする。
⑴ ビッグアイデア→商品を販売するために最も重要なアイデア、という意味
⑵ ビッグな約束
⑶ 具体的な主張
⑷ 主張の根拠

と述べられています。

 

最後に、販売の次にやるべきことは何か?

・メンターからアドバイスを受ける
・チームメンバーに会社の仕組みについて教えること
・事業の目標を設定すること

 

【記事の執筆者】

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