前回までは安全性、収益性の財務指標をご紹介してきました。今回は効率性の財務指標について解説します。
前回までの記事はこちらから
・安全性の財務指標
・収益性の財務指標
今回解説する効率性の財務指標には、売上債権回転期間、棚卸資産回転期間、仕入債務回転期間があります。それでは順番に解説していきましょう。
目次
売上債権回転期間
(日数)売上債権(受取手形+売掛金)÷売上高×365
(月数)売上債権(受取手形+売掛金)÷売上高×12
売上債権回転期間とは、売上債権(受取手形、売掛金)に形を変えた現金が再び現金になって戻ってくるまでの期間を表す指標です。
業界平均と比較して売上債権回転期間が短いほど滞留する運転資金は少なくなるため、資金的な余裕が生まれます。反対に、業界平均と比較して長い場合は売上債権が不良債権化している怖れがあるため、資金繰りの悪い会社という判断につながります。
棚卸資産回転期間
(日数)棚卸資産÷売上高×365
(月数)棚卸資産÷売上高×12
棚卸資産回転期間とは、製品や原材料などの棚卸資産(在庫)の管理状況を示す指標です。現金が棚卸資産に変わり、次の売上債権になるまでの期間を表します。在庫回転期間とも呼ばれます。
この日数が短いと、現金が棚卸資産としてとどまっている期間が短いので、運転資金は少なくて済みます。反対に、この期間が長いと棚卸資産が滞留してしまい運転資金不足に陥りやすくなります。
仕入債務回転期間
(日数)仕入債務÷売上原価×365
(月数)仕入債務÷売上原価×12
仕入債務回転期間とは、支払手形や買掛金などの仕入債務があと何日分あるいは何か月分残っているかを表す指標です。この期間が短いと仕入れてから支払うまでの期間が短くなるため資金繰りが忙しくなります。反対に、長いと仕入れてから支払うまでの期間も長くなるため、資金繰りに余裕が生まれます。
特に売上債権回転期間と比べて仕入れ債務回転期間の方が長い場合には資金繰りが忙しくなります。
まとめ
今回は効率性の指標について解説してきました。
今日ご紹介した指標をもとに、御社の支払いサイトや売掛金回収サイトなどを見直し、資金繰りに余裕のある会社を目指すことができます。
売上はあるけど資金繰りに追われている会社さんはここに原因があるかもしれません。
今回の記事がご参考になれば幸いです。
【記事の執筆者】
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