この記事では、土木一式工事の工事内容や許可要件等について、詳しく解説しています。
目次
土木一式工事業の許可が必要な場合
請負金額が500万円以上の土木一式工事(トンネル工事,橋梁工事,ダム工事,護岸工事など)を請け負う場合には、土木一式工事の建設業許可が必要になります。
さらに、自社が元請業者として、下請け業者に4,500万円以上の工事を発注する場合には、特定建設業許可が必要となります。
土木一式工事とは?
総合的な企画,指導,調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修,改造又は解体する工事を含む。以下同じ。)を土木一式工事といいます。
※一式工事とは
工作物の建設を一体的に請負い,総合的な企画,指導,調整を行う工事を指します。そのため,土木一式工事に該当するのは原則として元請で請負う工事に限られます。
なお,土木一式工事は必ずしも2以上の専門工事が組合わせであることが要件ではなく,工事の規模,複雑性等からみて個別の専門工事として施工することが困難なものも含まれます。
具体的には以下のような工事です。
この他にも、空港、高速道路、鉄道軌道、区画整理、道路・団地など造成などの一式として請負工事を指します。
土木一式工事業の注意点
業界の方々が「うちの会社は土木をやっている」という場合の「土木」は土木一式工事ではなくとび土工工事に該当することがほとんどです。
また、土木一式工事は「一式」という言葉がついているので「土木一式工事の許可さえ取れば土木関係の工事なら何でもできるの?」と勘違いしてしまいそうですが、とび土工工事のみを500万円以上請け負う場合はとび土工コンクリート工事業の許可を持っていないとできませんし、解体工事のみを500万円以上請け負う場合は解体工事業の許可をもっていないとできません。
他の工事との線引き
①「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当する。
※プレストレストコンクリートとは?
プレストレストコンクリート(Prestressed Concrete)はPCとも略され、直訳すれば「予め緊張させられたコンクリート」という程の意味になります。
通常のコンクリートを橋にかけてしまうと強度が弱い(引張力が弱い)ので崩れ安くなってしまいます。また、コンクリートの中に鉄筋を入れたコンクリートも崩れさえしないもののヒビは入るため長い目で見たときに強度に不安が残ります。そこで、利用されるのがプレストレストコンクリートです。
②上下水道に関する施設の建設工事における『土木一式工事』,『管工事』及び『水道施設工事』間の区分の考え方は,公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』であり,家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』であり,上水道等の取水,浄水,配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造,設置する工事が『水道施設工事』である。なお,農業用水道,かんがい用排水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当する。
土木一式工事業の専任技術者になるには?
建設業許可を取得するには一定の資格者又は実務経験を有する方がいないといけません。
①土木一式工事業の専任技術者になれる資格
※【 】は一般建設業と特定建設業のどちらで対応しているかを記載。
②指定学科+実務経験で申請する場合
下記の土木一式工事に関する指定学科の高校を卒業している場合は卒業後5年(60か月)、大学を卒業している場合は卒業後3年(36か月)以上の土木一式工事に関する実務経験があれば、専任技術者になることができます。
※卒業した学科が対象になるかどうかは、必ず担当窓口に事前相談しましょう。
※上記学科以外の名称の場合でも、事前に卒業証明書及び単位取得証明書等の履修科目及び取得単位数が確認できる書類を事前相談に持っていくことで、指定学科として認められる場合もあります。
③検定合格+実務経験
令和5年7月の法改正で新たに追加されたパターンです。施工管理技士の検定に合格した方は検定の級に応じて指定高校卒業又は指定大学卒業と同等の扱いにすることになりました。
④実務経験のみで申請する場合
許可申請しようとする建設工事について10年(120か月)以上の実務経験が必要です。
ですので、土木一式工事の許可申請をするのであれば、土木一式工事について10年(120か月)以上の実務経験を証明することになります。
土木一式工事の特定建設業許可は実務経験ではNG
ただし、「特定」建設業の専任技術者については,土木一式工事が指定建設業(※)に該当するため、実務経験ではNGで、一級の資格者であることが必要となります。
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